こんにちは、あおです。
今日はうつ病でお休み中に短歌を始めた話について書いてみたいと思います。
(別の記事で短歌で旅行に行った話もありますので、もしよければご一読いただければ幸いです)

気力の回復

うつ病で休み始めた頃は、体調の悪い日が多く、布団の中で過ごすことが多かったです。
しかし、数カ月経った頃には、少しずつ気力が回復してきていました。

少しずつ回復していく自分を見るにつけ、時間が次第に余ってくるように感じました。

最初は、脳を刺激し、自分を取り戻すために本を読むことから始めました。
しかし、もっと達成感を感じられる方法はないかと考えるようになり、思い切って創作活動に挑戦することにしました。

短歌をツイッターに投稿

私はうつ病になる前から短歌を作っていました。
それが、うつ病と診断される数か月前から精神的に余裕がなくなり、短歌から離れていました。
創作活動に挑戦することにした私は、短歌を再開することにしました。

もともと短歌を発表するためのツイッターのアカウントは作っていたので、作った短歌をツイッターに投稿することを日課にしようと決めました。
そして、投稿の際には「#短歌 #tanka」というハッシュタグを添えて、同じく短歌を愛好している方々に見つけてもらいやすいようにしました。

短歌は、五七五七七という定型で詠む短い詩です。
短歌は、俳句とは異なり、季語を必要としません。
この自由さが私にとって心地よく、頭の体操や気分転換にぴったりでした。

短歌を通してツイッターで人と交流

自分が作った短歌をツイートしても、最初はあまり反応はありませんでした。
しかし、少しずつフォロワーが増えると、いいねを押し合う関係になる方たちが増えていきました。
反応を返してもらえるようになるにつれ、短歌を作るのがますます楽しくなり、さらなる創作意欲が湧いてきました。

また、他の方々との交流も、この短歌の世界で新たな楽しみとなりました。
素敵だと感じた短歌には、思わずリプライを送ってみることもありました。
そうすることで、人との小さな交流が生まれ、新たなつながりができていくのが楽しくもありました。

Discordで短歌の交流の場「ヨミアウ」に参加

ツイッター上での短歌の投稿に慣れた頃、「ヨミアウ」という短歌の交流の場がDiscord上存在することを知りました。
私は新たな短歌の活動を始めるために、Discordのアカウントを作成し、ヨミアウに参加することに決めました。

「ヨミアウ」では、自分の短歌をDiscord上で投稿することができ、同じコミュニティのメンバーたちとの交流が広がります。
他のメンバーの作品に感想を述べたり、逆に自分の短歌に対する意見をもらったりすることができます。

さらに、短歌を投稿するだけではなく、様々なイベントが行われています。

私自身も以下のイベントに参加しました。

歌会

「歌会」とは、歌の批評会を指します。
Discordの音声通話機能を利用して、5~6人の参加者と共に歌会を行うことにしました。
通話を通じて、遠く離れた場所からでも一緒に歌会を楽しむことができます。

歌会の進行方法は、作者を伏せて歌を発表し、順番に批評していく形式です。
初めての歌会では、緊張が隠せなかったものの、和やかな雰囲気の中で進行し、とても価値のある経験となりました。

2回目の歌会では、私自身が司会に挑戦することにしました。
歌の批評を行いつつ、他の参加者にも発言を促すように心がけました。
様々な視点や意見が出る中で、意義深い議論が交わされ、皆さんリラックスして楽しんで頂けたのがとても嬉しかったです。

ビブリオバトル

「ビブリオバトル」とは、誰でも開催できる本の紹介コミュニケーションゲームです。
「人を通して本を知る。本を通して人を知る」をキャッチコピーに全国に広がり、学生さんや社会人、企業研修や勉強会など、広く活用されています。

ビブリオバトルには、以下の公式ルールがあります。
1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる.
2.順番に1人5分間で本を紹介する.
3.それぞれの発表の後に,参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分間行う.
4.全ての発表が終了した後に,「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員が1人1票で行い,最多票を集めた本をチャンプ本とする.

私が参加した会では、「短歌にまつわる本を紹介する」というテーマで開催されました。

私は「えーえんとくちから」(笹井宏之著)を紹介しました。
開催までは、本を何度も読み込み、作者の来歴を調べ、他の著作なども読み込みました。

5分間の発表時間は長くもあり短くもあり、伝えたいことをまとめるのは難しかったのですが、準備していた内容でぴったり5分間に収まり、達成感を覚えました。

発表はDiscordの音声通話機能を使用して行われ、4人の参加者のほかに観覧しに来てくださる方もいて、イベントは盛り上がりました。

結果的に優勝はできませんでしたが、イベントの後に参加者と雑談する時間もあり、交流を楽しむことができました。

読書会

「読書会」は、人と一緒に本を読み込む企画です。

私は読書会で企画を立て、司会進行にも挑戦しました。

課題本は「ラインマーカーズ The Best of Homura Hiroshi」(穂村弘著)を選びました。

読書会は私ともう一人で開催したのですが、2人とも「穂村弘さんの短歌って難しいね」という意見で一致していたため、読書会の副題を「穂村弘がわからない!」と題し、好きな短歌のほかに、読み解くのが難しい短歌を取り上げて2人で議論しました。

読書会の進行は、Discordの音声通話機能で2人が話し、観覧に来ている方々からチャットで意見も頂きながら会を進めました。
観覧の方々からも意見を頂くことで、様々な視点で穂村弘さんの短歌を読み解くことができたと思います。
自分一人ではここまで一首に対して時間をかけて向き合うことはなかなかできないので、とても有意義な時間を過ごすことができました。

これらのイベントは全てオンラインで参加可能で、体調が不安定な日でも気軽に参加できる安心感がありました。
ヨミアウは、短歌を通じて新しい友達との交流や、様々なイベントを楽しむ場として、私にとって非常に素晴らしい出会いとなりました。

短歌の講座をコエコテカレッジで受講

短歌の作り方の本や歌集を読んで自分で勉強することに限界を感じた私は、オンラインでの短歌の講座も受講してみました。

私は、コエテコカレッジというサイトから、NHK学園の短歌講座を受講しました。
その講座は、全6回で、月に1回、1時間30分行われます。
そこでは、実際に本も出版されている歌人の先生に短歌を習うことができます。

最初の30分に秀歌鑑賞という良い短歌を鑑賞する時間、残りの1時間に歌会を行います。
歌会では提出した短歌を先生に添削もしてもらえるので、自分では気づけない短歌の表現方法やセオリーを知ることができます。
また、歌会で人の歌の感想を話したり、自分の歌の感想を聞いたりと、ここでもやはり人と交流することになり、楽しく学んでいます。

印象に残っているのは、先生に質問した時のことです。
私は、「短歌の感想を人に伝える時に、作者の意図と違った解釈になってしまうと失礼に当たるのではないかと心配なのですが、大丈夫でしょうか」と質問しました。
先生は、「短歌の評によって歌がさらに活きてくるということがあるので、そのような心配はせず、引き続き感想を伝えていってください」という旨の回答をされました。

ツイッターやヨミアウで感想を伝える時にいつも少しだけ不安があったのですが、先生の言葉を聞いてそれからは心配し過ぎずに感想を伝えられるようになりました。

おわりに

「創作活動をしたい」という小さな思いから短歌を始めました。
しかし、その先には予想だにしない素敵な出会いと、心温まる会話が広がっていました。
気づけば、インターネットの向こう側に広がる様々な人々との交流が、私の日々を楽しく彩っています。

今でも、体調によっては家で一日休んでいる日もあります。
それでも、ネット上での交流を通じて、多くの人々と繋がることができるのです。
私にとっては大発見でした。
そして、短歌という共通の興味が、私たちの心を結びつけ、一緒に楽しむことができるのはとても素晴らしいことだと思っています。

今後も、自分のペースを大切に、短歌という言葉の世界を楽しんでいきたいと考えています。
新たな出会いと自分自身の成長を楽しみに、これからも大切に続けていこうと思います。