こんにちは、あおです。
今日は短歌で旅行に行った話を書いてみたいと思います。
(短歌を始めた経緯についてはこちらの記事をどうぞ)

ヒュー!日向マッチング短歌

短歌を始めた私は、いくつかの企画に挑戦してみました。

その中のひとつに、「ヒュー!日向マッチング短歌」という企画がありました。

この企画は、投稿した短歌と返歌がマッチ成立した方の中から、5組10名様を2023年2月に宮崎県日向市に招待して頂けるという企画でした。

宮崎県日向市は歌人の若山牧水が生まれ育った地で、日向市では「ヒュー!日向 ヒュー短歌」というサイトを作るほど短歌に力を入れており、「ヒュー!日向マッチング短歌」はその中の企画でした。

この企画の特徴は、応募されている短歌に返歌を贈ることができるというものでした。
返歌とは、ある歌に対して、歌を詠んでその相手に返すことです。

私は自分の歌も投稿したのですが、それよりも返歌を贈るのが楽しくて、相手が詠んだ歌に添うようにたくさんの返歌を詠みました。

ベストカップル賞

たくさんの返歌を詠んだ私は、これで誰かが喜んでくれているかもしれないと大変満足して、その企画のことは忘れかけていました。

そんなある日の夜、ツイッターにDM(ダイレクトメール)が届きました。

なんと相手のお歌と私の返歌がマッチングして「ベストカップル賞」となり、宮崎県日向市に旅行にご招待するという連絡でした。

私は突然のことに驚きながらも、すぐさまぜひ旅行に参加したいと返信をしました。

こうして私は短歌で旅行に行くことになりました

宮崎県日向市へ

2月になり、いよいよ旅行に出発です。
私が住んでいる場所からは飛行機を乗り継いで行くことになります。

初めての飛行機乗り継ぎ、初めての九州、初めてづくしでわくわくしていました。

イベントは2日間で、1日目は日向市の観光と、若山牧水記念館での交流会です。
観光中はどなたがマッチングした方なのかは分かりません。
少しソワソワしながら、周りの方とお話したり、自然が豊かな日向の地の観光を楽しみました。

海際で願いをかけて鐘鳴らす石の間に願いを置いて/願いが叶うクルスの海

幻の龍を目にするために皆椿の落ちる石段登る/鵜戸神社

交流会

交流会では、ついに私が返歌を贈った相手が判明し、小さな表彰式のようなものがありました。

こちらが相手のお歌と私の返歌です(お相手の方に掲載許可をいただいております)。

講評をしてくださった歌人の先生からは、「歌と歌がぎゅっとマッチしている」と仰っていただけました。
また、返歌を贈った相手ともお話しすることができ、私の返歌を喜んでいただいているようでとても嬉しかったです。

会食と2日目

交流会の後には、夜に会食があり、「集まっている全員が短歌が好き」という少し不思議でくすぐったい空間でリラックスして楽しむことができました。

2日目は、宮崎県日向市美々津町や小倉ヶ浜サーフスポットを観光しました。
歴史あるたたずまいを残す港町を散策し、おいしいお団子を頂いたりしました。

貝合わせ お内裏様とお雛様仲睦まじく二人の世界/日向市美々津町

神武天皇が召し上がられた味「お船出だんご」おすすめですよ/日向市美々津町

一人旅で詠んだ歌

イベントは2日間で終了したのですが、せっかくの初九州だったので、自費で日程を伸ばして宮崎市の一人旅も数日楽しみました。

旅行の様子を、旅先で詠んだ短歌と撮った写真で紹介したいと思います。

宮崎駅

JR宮崎駅について目に入ったのがこのポストでした。丸っとしていてかわいいですよね。

日向夏ポストに入れるお手紙は甘酸っぱくてほんのり苦い/宮崎駅 日向夏ポスト

青島

宮崎駅から電車で青島駅まで行き、徒歩で周れる場所を観光しました。

戻りたくなることもあるでも今が幸せだって言ってみせるよ/青島駅

鬼の洗濯板

青島をとりまく波状岩は、「鬼の洗濯板」と呼ばれています。
中新世後期(約700万年前位)に海中で出来た水成岩(固い砂岩と軟らかい泥岩が繰り返し積み重なった地層)が隆起し、長い間に波に洗われ、固い砂岩層だけが板のように積み重なって見えるようになったそうです。
観光に行った日はあいにくの雨だったのですが、それはそれで波の迫力が感じられて良かったのではないかと思います。

何回も繰り返す波繰り返すから変わってく変わらずにある/青島 鬼の洗濯板

青島神社

青島神社は宮崎の定番観光スポットだそうです。
島にかかる弥生橋を渡って参拝しに行きます。
海に橋が架かっているのが私にはめずらしくてきょろきょろと景色を楽しみながら渡りました。
ここは有名な神話「海幸彦・山幸彦」の舞台であり、山幸彦と豊玉姫が結ばれた地でもあることから、縁結びにご利益があると言われています。
境内には絵馬でできたトンネル「祈りの古道」があり、たくさんの人々の願いが飾られている様子は鬼気迫るものを感じてしまいました。

たくさんの祈りが届く神様に差し入れとしてホットココアを/青島神社

宮交ボタニックガーデン青島(県立青島亜熱帯植物園)

宮交ボタニックガーデン青島は、南国の木や花々を眺めることができる植物園です。
特に熱帯果樹温室には、パイナップルやパパイヤなどを見ることができ、南国ならではの空気に浸ることができました。

温室のカエンカズラよ天を向きラッパの如く鳴き誇るのだ/宮交ボタニックガーデン青島

開いている口をいつかは閉じるのねウツボカズラの赤き誘惑/宮交ボタニックガーデン青島

僕たちは仲良しだからいつまでも並んでいるよ冬になっても/宮交ボタニックガーデン青島

海幸彦山幸彦が雨の中こつりこつりと仲直りする/宮交ボタニックガーデン青島

チキン南蛮

宮崎県の定番グルメといえばチキン南蛮だろうということで、夕食に頂きました!
チキン南蛮は卵の衣で揚げた鶏肉を甘酢に漬け、タルタルソースをかけた料理です。
宮崎駅の近くに入っているお店で頂きました。
2種類のお肉を食べ比べできる贅沢仕様で、とても美味しかったです。

宮崎といえばやっぱりこれですね!チキン南蛮セットを食べる/夕食

宮崎県立美術館

JR宮崎神宮駅宮崎県立美術館にも足を運びました。
コレクション展示は無料で観覧でき、企画展示は有料での観覧となっていました。
私が行った時の企画展示は、宮崎県で行われている一般の方向けの賞を取られた作品が展示されていました。
実は私はマグリットの「現実の感覚」という作品が見たかったのですが、残念ながらこの日は展示されていませんでした。
記念にポストカードとクリアファイルを買って、旅の思い出としました。

見てもらうために作ったわけじゃないでもあなたには届いて欲しい/宮崎県立美術館

宮崎神宮

宮崎神宮は日本の初代天皇・神武天皇を祭神としています。
神武天皇の孫にあたる健磐龍命(たけいわたつのみこと:阿蘇神社のご祭神)がその縁にちなんで創祀したと伝わっているそうです。
宮崎神宮駅の近くに大きな鳥居があり、街に溶け込みつつも存在感がありました。
自然豊かな場所を通って、社殿に向かいました。
神武天皇の両親である、父・鵜鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)母・玉依姫命(タマヨリヒメ)も一緒に祀られていることから、家内安全や夫婦和合、安産・子宝のご利益、また神武天皇が東征されたことにちなんで、必勝祈願や合格祈願に訪れる参拝者が多いそうです。

愛されていると確信してるならこのトンネルを駆け抜けようよ/宮崎神宮 五所稲荷神社

おわりに

短歌を詠むことで旅行に行けるとはまさか思っていなかったので、大変驚きで嬉しいサプライズでした。
何事も挑戦してみなければわかりませんね。
とても刺激になり、よい経験となりました。

また何より、返歌を詠んだ相手と会ってお話しできたことが私にとっては宝物です。
ツイッターで短歌を通して人とやり取りしたことはありましたが、実際に短歌を詠んでいる人と会うのは初めてで、緊張しましたがとても嬉しかったです。

楽しく旅を終えられたのは、出会った方々が柔らかく穏やかに接してくださったからだと思います。
企画に携わった方、参加者の方、ありがとうございました。

参考

ヒュー!日向マッチング短歌

宮崎市観光サイト

宮崎県立美術館